[脊椎・脊髄外科]田宮 亜堂 医師
(2019/11/08 更新)
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、長年の生活習慣などにより骨の量が減ってスカスカになることで、骨折を起こしやすくなっている状態、もしくは骨折をすでに起こしてしまっている状態のことを言います。
骨折のまだない状態では自覚症状はありませんが、骨折を起こすと背骨の椎体(ついたい)の場合は腰や背中に痛みが生じたり、大腿骨(だいたいこつ)の場合は歩けなくなり、いずれにしてもひどくなると寝たきりになってしまう場合があります。
一度骨粗鬆症になってから、骨の状態をもとの健康な状態に戻すのは大変です。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。
正常な椎体
骨粗鬆症の椎体
骨密度(こつみつど)は年齢とともに低下していきます。平均して50歳前後から低下していきますが、以下の原因でさらにひどくなることがあります。
これらのうちで、食生活や運動不足、喫煙や飲酒など自分で改善できるものは今からでも取り組んで、骨粗鬆症の予防に努めましょう。
私たちの骨は18歳をピークにして、以降加齢とともに骨量(こつりょう)が減ってきます。骨量の減少は生理的現象でありますが、その骨量が2,3割以上減ると骨構造が弱くなってしまい、骨折が起きやすくなります。
骨量を示す指標に骨密度があります。20〜40歳代の若い人の骨密度の平均値をYAM値(ヤム値、Young adult meanの略)と言い、YAM値を100%としたときに自分の骨密度が何%かを示した値で診断します。
次の場合を骨粗鬆症と診断します。
骨粗鬆症を疑った場合には次の検査が必要になります。
自分は健康であると思っていても、加齢には勝てません。
手遅れにならないうちに、一度検査をしてみましょう。