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0006:脊柱管狭窄症の検査と治療って、どんなの?〜脊椎と脊髄神経の病気〜

脊椎・脊髄外科]田宮 亜堂 医師
(2019/10/01 更新)

どのような診察・検査を受ければいいのでしょうか?

問診(事前アンケート)、神経診察

診断をしっかりつけるためには、十分な問診と神経診察が必要になります。特に初めて受診される場合は、診察に時間をかける必要がありますので、ご了承ください。

  • * 当院では初診の前に、病状の経過を詳細なアンケートに答えていただきます。
    多少時間を要しますが、診断の際に役に立ちますのでぜひご協力お願いいたします

画像検査

どのような診察・検査を受ければいいのでしょうか?

問診と神経診察の結果から予測した診断を裏付けるために、レントゲン検査、CT・MRI検査、骨密度測定、脊髄造影検査(ミエログラフィー)を行います。これらの検査はいっぺんに行うわけではありません。一つ一つの検査結果を吟味しつつ、さらに必要であれば順次追加して行います。

また脳梗塞や脳腫瘍などの頭蓋内疾患も疑われる場合は、頭部MRI/MRA検査も追加して行います。下肢の血管病変を疑う場合には下肢MRAなどの検査を追加します。

検査は数回に分けて行いますので、申し訳ありませんが受診に何度か通っていただく必要があります

以上の問診、神経診察での所見および画像検査での結果を総合して、病気の診断を行います。

「脊柱管狭窄症」ではどのような治療を行いますか?

手術をしない保存的治療法として、内服(ビタミン剤、神経の血行をよくする薬)、点滴(神経の血行をよくする薬)、神経ブロック、コルセット、リハビリテーションがあります。病態の進行状態あるいは全身状態によっては、病気自体は治りにくくなっていますので、その場合は症状を少しでも軽減させることをめざします。

痛みやしびれなどで歩行障害が進行して日常生活に支障をきたしてきた場合には、早めに手術を行うことをおすすめします。特に両足に症状が出現して、かなり症状が進行してきた場合は、保存的に経過をみても改善することが少ないので、手術を行うことが一般的です。また下肢麻痺が出現した場合や排尿排便障害が起きてしまった場合には、緊急性があると判断して急いで手術を検討することになります。神経が圧迫された状態が長く続くと、手術をしても症状が残る可能性が高くなるからです。