[脊椎・脊髄外科]田宮 亜堂 医師
(2019/10/01 更新)
診断をしっかりつけるためには、十分な問診と神経診察が必要になります。はじめての受診で、症状が重い場合には、診察に十分に時間をかける必要があります。
診断を裏付けるために、レントゲン検査、CT・MRI検査、骨密度測定、脊髄造影検査(ミエログラフィー)を行います。これらの検査はいっぺんに行うわけではありません。一つ一つの検査結果を吟味しつつ、さらに必要であれば追加して行います。
以上の問診、神経診察での所見および画像検査での結果を総合して、病気の診断を行います。
手術をしない保存的治療法としては、内服(ビタミン剤、脊髄神経の血行をよくする薬)、頚椎カラー、リハビリテーションがあります。初期の場合には、これらの治療により改善することがあります。
手足の症状が進行してきて日常生活に支障をきたすようになった場合は、手術を行うことをおすすめします。特に足の症状により転倒しやすくなると、軽微な外傷で四肢麻痺(脊髄損傷(せきずいそんしょう))を起こす可能性があります。その結果、最悪の場合、車いすや寝たきりになってしまうこともあるのです。
また指がスムーズに動かない手指巧緻運動障害がみられるようになった場合も、脊髄神経のダメージを考慮して早めに手術治療を行うのが良いとされています。
手術をした方がよい場合でも、年齢や全身状態、既往症によっては全身麻酔のリスクが高い場合は、保存的治療法で経過をみていくしかありません。